Find A or B

世の中にたくさんある問題を自分で調査し解決策を見つける。AなのかBなのかはっきりさせるという意味を込めて Find A or Bというブログタイトルにしました。

東京都のCOVID-19陽性患者数の年代、性別による比較

東京都が公開している新型コロナウイルス陽性患者発表詳細のオープンデータから2020年4月9日までの陽性患者数の年代、性別による比較をしてみました。

東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細 - データセット - 東京都オープンデータカタログサイト

まず、年代ごとに男女比率をグラフに表すと以下のようになりました。陽性患者数の合計は1512人です。(2020年4月9日現在、不明、調査中を除く)

10代、20代をのぞくすべての年代で男性の陽性患者数が多く、特に30代~60代はおおむね陽性患者の6割~8割が男性でした。次に年代ごとの陽性患者比率と東京都の人口比率を比較してみたのが次のグラフです。東京都の人口には令和2年1月現在の住民基本台帳による東京都の世帯と人口のデータを使用しています。

住民基本台帳による東京都の世帯と人口 令和2年1月


10歳未満、10代は人口比率よりも陽性患者比率のほうが小さいですが、一方で20代から40代で人口比率を大幅に上回る陽性患者比率を示していました。あくまで推測ですが、人口比率と比較して20代~40代の陽性患者比率が大きくなるのは、これらの年代の人大学、社会人の属性の人が多く、大学生活、仕事はもちろんですが、イベントや飲食の機会も多い≒感染するリスクが高いからなのではないでしょうか。わたしも30代なのでより一層、外出自粛に対して気を付けようと思いました。

対数グラフでみる東京都の日別陽性患者数 4/29 現在

東京都内のCOVID-19に関するデータは新型コロナウイルス感染症対策サイトで公開されています。
stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp
しかし、対策サイトでは日別の陽性患者数を線形スケールで表現しているため、指数関数的増加なのか? また指数関数的増加ならばその程度はどのくらいか?これからどのようなペースで増加していくのか?が分かりにくいです。今回は感染症対策で公開されている日別の陽性患者数を片対数グラフで表記してみました。

陽性患者数の増え方を比較するために、陽性患者数が2倍になるまでの日数であるDT(Doubling Time)が 3days ,6daysでの陽性患者数の推移を片対数グラフに記入してみました。3/27頃からあきらかに片対数グラフが直線≒指数関数的増加になっており、おおよそ6日間に2倍の割合で陽性患者数が増えていることが分かります。一方で4/11以降は徐々に陽性患者数がピークを越え少しづつ減少していそうです。

毎日陽性患者数が更新されているので、グラフも定期的に更新していこうと思います。

特殊詐欺の被害を防ぐ方法を考える

特殊詐欺の定義と被害状況

特殊詐欺とは見ず知らずの人に対し架空のストーリーを信じ込ませてお金をだまし取る、詐欺の一種です。詐欺師はグループで犯罪を行い、役割分担が会社組織のようにはっきしりしていて
階層化されているのが特徴です。グループの中で被害者との接点になるのは、被害者へ電話をかける、いわゆる「かけ子」。また、被害者から現金を受け取る「受け子」です。会社組織でいう営業部門の営業マンのような存在です。一方、被害者と接点はありませんが、グループの方針決めや集めたお金の管理を行う管理部門、詐欺で使う名簿や携帯電話の入手や採用などを行うサポート部隊がいます。特殊詐欺の典型的な手口は、かけ子が入手した名簿の電話番号に電話をかけ、被害者の子供、親戚などになりすまします。そして、急遽お金が必要になった状況を伝え、銀行のATMからの送金、直接現金を手渡しなどにより被害者からお金をだまし取るのです。

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振り込め詐欺の全体像1

警視庁の調べによると特殊詐欺の認知件数はここ数年高止まりをしていますが、増加傾向にあります。過去を振り返ると平成20年から21年に欠けて認知件数は1/3と激減しました。これは警視庁が「振り込め詐欺対策室」の設置、や法務省と共同で策定した「振り込め詐欺撲滅アクションプラン」の取り組み、平成20年6月21日から施行された金融機関の犯罪利用預金口座に振り込まれた資金を被害者へと分配する「振り込み詐欺救済法」など、官民を挙げた取り組みの成果だといえます。しかし、平成21年以降は右肩上がりに被害件数は増え、過去最高だった平成20年に迫る勢いです。一方、被害金額は平成26年の500億円をピークに減少を続け29年にはおよそ400億円まで低下しました。被害者の80%は65歳以上の高齢者です。65歳以上の人の多くは退職をしており、日中は在宅していることが多いため、詐欺グループからの電話を受け取る可能性が高くなってしまうからです。

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特殊詐欺の件数と金額の推移

特殊詐欺を防ぐ取り組み

警視庁は特殊詐欺を防ぐために、有名人を使用したイベント、TV-CM、チラシなどを駆使して被害手口の周知をし注意喚起を行っています。また、銀行のATMの送金額、引き出し金額の上限を引き下げ、被害額を減らす取り組みも拡がっています。

警察の捜査はかけ子の電話に不信を持った被害者の警察への通報から始まります。だまされた振りをした被害者が現金を用意し、現金の受け渡し場所に向かいます。受け渡し場所には捜査員が待ち構まえており、現金を受け渡した後に受け子を逮捕するのです。しかし、受け子を逮捕しても詐欺グループの全体像を把握することは困難です。受け子やかけ子などの犯罪の実行部門と指示を出す管理部門との間の連絡手段は匿名でかつ連絡内容はすべて消去されているからです。受け子を逮捕しても組織の上層部まで捜査の手が及ぶことは少なく、特殊詐欺は、新しい受け子を雇い、再び繰り返されてしまいます。

警察の地道な捜査と注意喚起の効果により特殊詐欺全体の被害金額のうち阻止した金額の割合を示した、阻止率は50%と上昇続けています。警察の特殊詐欺への対応は潜在的な被害者に対して注意喚起を行い、電話を受け取りだまされる人を減らして、だまされる確率を下げ、電話に不信を持った被害者からの通報によって捜査を行い、犯罪組織の実行犯の逮捕を目指しています。しかし、捜査の問題点は被害者からの通報を受けてから捜査が始まるため捜査が後手に回る点にあります。どのような組織がどの地域にいる人々をだます対象としているかという全体方針を把握することができず、対症療法的に受け子を逮捕しているのが現状です。

警察OBを利用した特殊詐欺防止策

特殊詐欺を防ぐためのわたしの提案は警察OBとその家族を中心とした協力者を集めることです。警察OBの自宅に特殊詐欺が疑われる不審な電話がかかってきた場合、電話番号を控えて、電話番号とともに管轄する警察署に連絡をします。警察は不審な電話がかかってくる電話番号を集計し、地域と電話の回数を把握します。不審な電話がかかってきやすい地域を絞ったら警察は警察OBの自宅に逆探知機や録音機を設置して発信先の特定、かけ子の特定を試みます。さらに、この提案は電話番号の集計だけでなく、詐欺グループが電話をかけ続ける意欲を削ぐ効果もあると思います。電話帳にはひょっとしたら警察OBの電話番号が含まれているかもしれない。逆探知をされて、発信先を特定されるかもしれないという状況であれば詐欺グループの電話をかける行為は減ると思います。その結果、被害件数と被害金額は減少するはずです。

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特殊詐欺の全体像2

2017年の振り返り

2017年の出来事

仕事 採点 80点

  • 国内トップクラス規模のスーパーコンピューター(スパコン)設置にかかわる経験。
  • 企業向けのスパコン設置の責任者になり、無事に稼働。
  • 会社の代表が逮捕、起訴され社内に激震が走る。

2017年は仕事の量が増えた。国内トップクラス規模のスパコン設置が2016年7月から始まり、およそ1年間かけて、主にスパコンのサーバー、筐体の熱設計とスパコンを冷却する設備の設計から設置時の施工管理まで一貫して携わった。ひとりで責任を持つ仕事は多くなり、この案件の仕様策定、設計、スパコン設置先の設備担当者との交渉など、あらゆる業務を経験できた。前職の大企業であったらこんなにも横断的な仕事は任せられなかっただろうなと思う。毎日が決断の連続で、たくさんの問題の中から本当に重要な問題は何か?ということを見極め、重要でない問題はバッサリとあきらめるという取捨選択の能力が身に付いた。成長したなと心から思える1年だったのが良かった。

また、企業向けのスパコン設置の責任者になった。設置場所の現場確認から得られる設置の制約条件と、お客様の要望をすりあわせながら、スパコン設置のイメージを紙におとす。プレゼンでお客様の期待値を整理しながらプロジェクトを進め、無事に稼働するところまでこぎつけられた。ここではかけないような設置時のミスもあったのが、プロジェクトの仲間たちに助けられながらなんとか完遂できた。日本でも企業がプライベートスーパーコンピューターを持つような時代になり、液体で冷やす専用のコンピュータという時代の最先端?!(誰もまだ見向きもしてないが。。)のテクノロジーとビジネスにかかわることができてとても幸せだった。

しかし、順調なのも束の間。大事件がおきた。とある日にわが社の代表が逮捕され起訴されてしまったのだ。ここには文書化できないようなこともたくさん起こり、わたしのような一介の技術者では太刀打ちできないような問題もあった。いまだ現在進行形ではあるが経営陣が毎日議論を重ねていて、会社一丸となってこの危機を乗り越えられたらなと思う。いままでは開発が主体の会社だったが、この時間をきっかけにして、お客様に商品とシステムを提供しその価値の対価としてお金をいただく。そのお金でさらに大きな価値を生み出す商品を開発し、また、お客様に喜んでもらう。今年はこのサイクルを回せる最初の一歩を踏み出すことができればなと思う。

反省点

新しい商品のアイディアを練る。そのアイディアをためす実験をする。そのアイディアを商品化する。この活動に時間を取れなかったのが大きな反省点。アイディアを練る時間が確保できていないのが原因なので、スケジュールにしっかり時間を組み込むことが必要そう。2017年は新しい商品を開発する作業よりも設計や施工準備、施工管理の作業がおおかった。意識的に考える時間を多くとりたいなと思う。

一方で設計、施工準備、施工管理の業務はこれからもある。これらの業務に多くの時間を割かなくてもよいように、業務を定型化して生産性を高めていきたい。具体的には過去事例の仕様書をwikiにまとめて、過去事例を修正すれば新しい案件の仕様に対応できるような仕組みを作るなど。また、転職してから二年たち、仕事も慣れてきた。つまり、仕事の要領はわかっているので楽をしようと思えばいくらでも楽をできてしまう。アイディアをたくさん出すや、インプットを増やす、常に一段上の役職の立場でプロジェクト運営に携われるよう準備をする。など、レベルアップした仕事に取り組むよう2018年は意識をしていきたい。

プライベート 採点 70点

  • 結婚->引越し->新婚旅行->結婚式と人生の一大イベントを終える。
  • 株式投資に向けて財務分析に必要なR言語の勉強を始めるもののなかなか進まず。
  • 仕事以外の活動を見つけようとするも会社中心の生活になっている。

プライベートは結婚したのが2017年最大のイベント。1月に入籍してから6月に新婚旅行、その後結婚式の準備を始めて9月に結婚式を行う忙しい日を過ごした。結婚してからは一人暮らしをしているころよりも二人で暮らしているほうが楽しく、結婚てよいなーと実感をしています。一緒に食事をしたり、話をしたりと充実感を感じる毎日です。忙しい1日を過ごしていると家事に時間を取られ、なんとなく1日が過ぎてしまう。したがって、インプットに使える時間が少なくなり、まとめた時間をとってやってみたいなと考えていたことがひとつもできなかったのが印象的。1日の生活でどんなことに時間を使っているかを可視化して分析し、無駄な時間を減らしていきたいと思う。

2018年の抱負

  • はやいうちに時間の棚卸しを終えて、1年間の時間の使い方計画を立てる。
  • 資産形成の勉強をスタートする。ライフプラン策定->投資戦略立案 ->投資実行の準備をする。上昇相場なので、大きな下落局面がくるまで投資資金をためる一年となりそう。
  • ブログの更新頻度を上げる。1か月に1記事を目標とする。
  • 最悪の事態(失職)を常に想定し、職務経歴書、履歴書のアップデートおよび求人広告をチェックしておく。
  • 高い目標を短い期間で達成できるよう。自分の生産性を極限まで高める。    

ぼくたちの年金の将来像

年金制度改革の必要性や消えた年金問題など、働き始めてからテレビ、インターネットで年金に関する問題は耳にしてきた。そんな情報に反応してなのか、どうせ保険料を納付しても年金はもらえない。との投げやりな友人も周りにはいた。しかし、いずれも断片的な情報でいまいち年金の問題の全体像はつかめない。そんな全体像をつかんでみようと、ぼくが感じていた疑問を出発点に公的年金の財政状況、給付額の国際的な位置づけなどを調査し、個人が準備できることに焦点をあててまとめてみた。

年金に関して感じていた疑問は以下の3つ。

疑問:

  • このまま公的年金保険料を払い続けると、退職後にいくらもらえるのだろうか
  • その金額で自分が思い描く豊かな老後はおくれるのだろうか。
  • 退職後にそなえて今から準備をしなければいけないことは何だろうか?

 

厚生労働省OECDなど公的機関の資料や統計を調べて分かった結論は以下のとおり。

結論:

退職後の公的年金による収入だけではゆとりある老後の生活はできない。働き盛りである今のうちから退職後の労働、資産運用による年金以外の収入源の確保の準備をし、時間、お金にゆとりを持ったバランスの取れた老後を目指すべきである。

 

なんか、当たり前の結論にはなってしまったが、要は自分の老後は自分で確保しなければならないということ。今から逆算して計画を立て、老後のお金、人間関係、趣味などを準備する必要がある。それではこの結論について年金財政、給付の現状についてデータを見ながら考えていきたい。

 公的年金の収入は04年の年金制度改革以降、保険料率アップ、国庫負担を増やしたため上昇傾向にある。一方で支出は単調増加を続けており、支出は毎年約0.5兆円ずつ増えている。縦軸の単位がわかりにくいが、グラフの数字に100億円を掛けるので数十兆円規模である。

 

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年金の収入を項目別に詳しく見てみよう。収入は保険料、国庫負担、運用が3本柱であり、全体収入の8割強を占める。運用収入は年によってバラツキが大きく、04年以降の年金制度改革では国民への負担を増やし、保険料収入と国庫負担を増やすことで支出を補っている状況である。

 

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収入と支出の差である、収支に目を移してみよう。97年から収支は急激に悪化し、保険料と運用収入が減少したため、単年度で赤字となる年も最近では見られ始めている。政府は04年の年金制度改革で保険料率の段階的な上昇と国庫負担率を従来の1/3から1/2に引上げた。国民負担を増やすことで収入を増やすためである。この改革以降は収支の悪化は食い止められたものの、単年度赤字の状況は根本的には改善されておらず、赤字の補填のため、積立金の額は徐々に減り始めている。昨年、積立金を運用するGPIFの運用成績が話題となったが、長期的にみると積立金の総額は減っているのが現状であり、年金財政の台所状況は厳しい。

 

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年金財政の安定化のため、増税や保険料の増額などでさらなる国民負担を求めることは可能なのだろうか。日本の国家予算における、社会保障関連支出の対GDP比を国際的に比較してみよう。日本の社会保障関連の対GDP比支出は23.1%とフランスの31.5%にはおよばないものの、1990年代からの高齢化の影響で支出が急激に増えている。04年度の年金制度改革では2017年以降の保険料は国民年金が16,900円、厚生年金の保険料率は18.30%で固定されることになっている。つまりこれから収入は増えづらい環境となる。一方で支出は増え続ける。さらなる国民負担を受け入れるのか?それとも年金の支給開始年齢を遅らせるなど支出を減らすのか?という選択を今迫られているのではなかろうか。

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しかし、そもそも ぼくたちが老後にもらえる年金額はどのくらいあるのだろうか。そしてその額は生活するのに十分な額なのだろうか。次のグラフはOECDに加盟している34ヵ国の所得代替率公的年金による給付で現役世代の収入の何割をカーバできているのかを示す指標)を示したが、われらが日本の所得代替率はおよそ50%とOECD34ヵ国中最下位の水準である。正直このグラフを初めて見たときはショックだった。

 

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下のグラフはOECD加盟34ヵ国に住む65歳以上の人たちの収入源割合を示している。日本の年金生活者は公的年金だけでは生活できないため、残りの収入を働いて生活費を稼いでいる現状が見えてくる。時間、お金にゆとりある老後は幻想で、生きるために働く。このような年金生活者の実態を表している。一方で公的年金による収入が日本と同水準にあるノルウェーデンマークは資産収入の割合が高く、労働による収入の割合が低い。つまり、自分たちは必要最小限働き、あとは不動産や株、債券などお金に働いてもらい収入を得ているということが分かる。

 

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退職後に働いて収入を稼げば生活できると自信のある人なら良いが、年齢による職種・職業の制限や体力の問題など十分な稼ぎが得られず、結果として貧困に陥る人たちも増えている。日本の65歳以上の相対的貧困率(現役世代の所得中央値の50%以下の割合)はOECDの調査によると、20%を超えており、5人に1人は貧困という問題を抱えている。必要最低限の生活すら困難となる年金生活者は確実に増え続けているといえるだろう。f:id:kenichiinaba:20170819130620j:plain

 

以上のような、年金財政と年金支給の現状を把握したうえでの私の提言は以下の3つ。

  • 時間、お金にゆとりのある生活をしたいのであれば、手持ちの資産を増やし、その資産の一定割合を運用することで老後の収入源を増やすべき。
  • 年金はもらえたとしても現役時の半分しか支給されない。老後も働くを念頭において、若者と比較しても優位性のある自分のできること、得意なスキルを身に着けつづけ、老後に備えるべき。
  • 年金以外の収入源が期待できないのであれば、海外、日本の地方など格安生活圏へ移動するなど徹底的に支出を減らす努力をすべし。